『個の時代』の家造り
これを建築に当てはめて考えてみれば、会社や企業という組織は規格品型の決まり切ったものを大量に合理的に造るのに適しているのに対し、現場ごとにアイデアを出さねばならない注文住宅の建築においては、考案力があるフットワークの良い『個人』の方が適しているという事になります。
また大量生産される住宅の最初のモデルでさえ、個人のデザイン力や設計力の結集に依ってできあがっている訳で、決して管理された組織が生んだものではありません。
ましてや建築の対象が組織の器たる事務所やビルでなく住宅の場合、それを使うのはまさしく『個人』であり使う人たちの気持ちを思いやるという行為は『個人』でしかできないのです。
21世紀はすでに、個人の方が組織よりもチカラや可能性を持つようになっているということです。組織の大小を比較しても、小さくて何も無いような組織が簡単にできてしまうことが、大企業ではルールがあるためにできないことは驚くほど多いのです。
そして感度の高い人から順にワクワクすることの多い外の世界に、当たり前のように出て行ってしまうし、この動きはすごいスピードで始まっています。
これが21世紀が『個の時代』と呼ばれる所以なのです。
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